グループホームとは?

介護が必要な認知性のお年寄りが、5~9人程度の少人数でスタッフと共同生活を営みながら、認知症の緩和をうながすことを目的とした介護サービスです。

どんなところ?

グループホームは『くらしの場』です。居室は個室です。今まで使っていた家具などが持ち込めるプライベートな空間です。
このほか利用者とスタッフで食事の準備をするキッチン、趣味活動を楽しむリビングなどがあります。

家庭的な雰囲気

グループホームの認知ケアにおいては環境が非常に大切です。具体的に言えば朝からお茶を入れる、味噌汁を作る、ご飯を炊くそういう家庭のにおいをグループホームの中に充満させる。
そのことが脳にとって良い刺激になるわけです。
台所からいいにおいがしてくるとおばあさんがのぞきこんでくる。
家庭に聞くと「おばあちゃんは昔から料理が得意でした。」それで職員は「このおばあさんなら、簡単な料理が作れる能力が残っているのでは?」と考えました。職員がジャガイモを見せて「これは何ですか」と聞いてもおばあさんは答えられない。
ところがジャガイモとナイフを渡すとひとりでに手が動き皮をむくことができるのです。皮をむくという役割をもってもらうことによっておばあさんは元気になってくるということがわかったのです。

心のリハビリ

家庭的な長年住み慣れたような雰囲気で、スタッフも一緒に食事を する。食事には先程おばあさんが皮をむいたジャガイモの味噌汁が 並んでいます。
「おばあさん、このジャガイモおいしいね。また明日も 作ってくださいね」と職員が声をかける。
このように役割や出番をもって もらい、生活をしていくうちにおばあさんは元気になってくる。
これを「心のリハビリ」というのです。

尊厳を高める

「そんな環境のなかで認知症のお年寄りは"私もみんなから必要とされているのだ"という実感が、なによりも認知症を和らげるのです。」
尊厳を高める、自尊心を高める、プライドを高める、これが認知ケアの目的です。